社会人経験がある方や転職経験のある方は、あえて面接のマナーを再確認することは少ないと思います。
それは、これまでの経験である程度、面接に対応できるという思い込みからくる考え方です。
実際には自分自身が面接官としてお会いすると、この程度の準備でよく面接にきているないう30代、40代の転職者が非常に多い印象です。
30代~40代の方こそ、転職においては十分な企業調査と自己PR、そして質問に対する回答など万全に準備する必要があります。なぜなら即戦力としての採用であり、将来の幹部候補だからです。
転職に関するインフルエンサーの方のコメントで、内定を得るために重要なことは「自己PR、志望動機、職務経歴書」の3点セット、と断言されいている方も見かけます。
しかし、3点セットの準備だけでは内定を得ることはできません。
転職において既に3点セットは当たり前の資料です。最終選考段階に残る方の応募書類は十分に整理されており、とても魅力的です。そのうえで、外観、マナー、話し方など総合的な評価により採否が決定します。
独りよがりの応募者の方は、そこに気が付いていません。
書類選考を通過しているということは、少なくとも採用する範囲内にいます。今回は面接時のマナーを再確認し、面接官に対し好印象を与えるための要点をまとめてみました。準備をしている方は負けません!
1.本記事のテーマ
1.面接当日の服装、持ち物、髪型
2.訪問時の対応
3.入室、着席
4.面接での逆質問 注意しておきたい3つのポイント
2.著者の経験
これまでの主な職歴は、人材サービス業とコンサル業での勤務です。
人材サービス業では14年間勤務し、約3,500名の求職者のみなさんへお仕事をご紹介してきました。また、コンサル業では7年間人事業務に携わり、新卒や中途採用、教育・研修などを行ってきました。
転職や就職情報のほか、面接時の雑談や、お仕事場での日常的なコミュニケーションツールとして、日々のニュースやトレンドの情報も、お伝えしていきます。
3.面接当日の服装、持ち物、髪型
まずは、面接当日の基本的な持ち物について再確認します。
40代の転職における面接で一番気にかかるポイントは、なんといっても第一印象です。
結論として、どれほどスキルがあっても「汚い」、「だらしない」、「服装や持ち物に清潔感がない」、などの客観的な視点がとても重要な評価ポイントになっています。
極論、会った瞬間で「不潔」と感じる方を採用することは、よほど特殊な限定職でない限りありません。
当たり前のことですが、注意してほしい主なポイントを5つまとめてみました。
(1)服装
こちらは男女に限らず、スーツの着用が望ましいと思います。
業種・職種、雇用形態(正社員、アルバイト、パート)に問わず、スーツであることが基本です。
カジュアル思考の会社であっても、面接は別物です。
色は黒や紺などベーシックな色を選択してください。また、ワイシャツ、ブラウスも基本的には白は薄めのブルーなどが望ましいです。
特に、シワや匂いには注意してください。少なくとも事前にクリーニングは心がけましょう。
(2)カバン
カバンはビジネスバックが必須です。
最近は実際のビジネスシーンにおいても、リュックでお客様を訪問される方も多いのですが、面接はあくまで面接です。
ここで個性を出す必要はありません。ベーシックで一般的な価格のビジネスバック一択と考えてください。
(3)履歴書、職務経歴書
履歴書や職務経歴書などの必要書類は、事前に応募先にデータで送られていると思います。
しかし、必ずそれぞれの面接官に当日お渡しできるように、最低各4部ずつ(自分用1部含む)を作成し、持参するように心がけましょう。
意外にも、面接官が持っている資料は、セカンドコピーで内容が見にくい資料を持っていることが少なくありません。その時に、皆さんがお持ちする「綺麗な書類」は、「気配り」として好印象を与える材料になります。
(4)手帳、筆記用具、印鑑
筆記用具は必ず持参しましょう。求人表には表示されていない条件やキャリアプランなど、面接時にしか確認できない内容も少なくありません。
そして、録音も有効ですが、「書き留めている姿勢そのものが」評価ポイントになることも少なくありません。
また、筆記用具もシャープペンシル、ボールペン、電卓、印鑑など最低限は用意しておきましょう。
私の実経験として、急な試験の実施や交通費などを支給していただける企業もありました。
備えあれば憂いなしです。
(5)マスク
このブログの更新時点(2024年4月)では、面接時においては、マスク着用を前提とした対応でよいと考えます。
まだ企業側も気を使っているポイントになりますので、マスクを外した方が良いか、面接開始前に確認する対応がベストだと考えます。
4.訪問時の対応
訪問時は受付に行き、「○○部の△△様より、□□時に面接の予約を頂いている☆☆です」と伝えましょう。
受付の方より指示がありますので、それに従ってください。受付がない場合も基本的には同様です。玄関口から一番近い方で構いませんので、同じ内容を申し付けてください。
訪問時間は、面接開始時間の10分前を目安としてください。
開始時間ぎりぎりは論外ですが、20分以上早い時間なども、相手に対して迷惑となることがあります。
入室前は最後の身だしなみチェックを必ず行いましょう。
年齢が進むにつれ、自分では気が付かない匂いや癖(背筋の伸び、歩き方など)があります。必ずトイレの鏡でチェックして意識してその時だけでも修正しましょう!
また、マスクをつけない場合は特に口臭に気を付けましょう。事前にタブレットか口臭消しスプレーなどでしっかり多作してください。タバコは論外です。タバコを吸っている方は気が付かないと思いますが、ひどい口臭と匂い(衣類等の匂いシミ)です。
私は10年前ほど前に禁煙しましたが、今思うとこれほど匂いがするものか!と感じています。電子タバコも一緒です。
タバコ臭い方は、間違いなくマイナスイメージです。
5.入室、着席
(1)面接室への入室
①面接官が先に入室している場所に入る場合
- ドアを3回ノックします。
- 「失礼いたします」と話し、指定されている座席横まで進む。
- カバンは椅子の横に置く。
- 「☆☆と申します。本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします」と話し、一礼する。
- 面接官より、「お座りください」と指示を受けてから着席する。
- 以降は、司会役の進行に沿って進めていく形になります。
履歴書等の提出を求められた際、前述の通り「念ため、各3部ずつお持ちいたしました。よろしければお使いください」と伝え、書類一式(履歴書、職務経歴書)をお渡しする。
②応募者が先に入室して、面接官をお待ちする場合
- 指定場所に着席して時間を待つ
※着席場所の指定がない場合、一般的には入口から一番奥が上座にあたります。本来は上座に着席しますが、念のため案内係の方に着席場所を確認してください。 - 面接官が入室してきた際は、席を立ちその場で一礼する。
- カバンは椅子の横に置く。
- 面接官が席に着いた段階(立った状態)で、「☆☆と申します。本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします」と話し、再度一礼する。
- 面接官より、「お座りください」と指示を受けてから着席する。
- 以降は、司会役の進行に沿って進めていく形になります。履歴書等の提出を求められた際、前述の通り「念ため、各3部ずつお持ちいたしました。よろしければお使いください」と伝え、書類一式(履歴書、職務経歴書)をお渡しする。
(2)退室
- 進行役の方から「以上で本日の面接を終了いたします」等の挨拶のあと、荷物を整理し椅子の横に立つ。
- 「本日は、お忙しい中お時間をいただきありがとうございました。」と挨拶し、一礼をする。
- カバンを持ち出入口に向かう。ドアの前で再度室内の面接官に向け、「ありがとうございました。失礼いたします。」と挨拶、一礼し退室する。
- 退室後、その会社を出るまで油断は禁物です。すれ違う方には軽く会釈をするとともに、面接後は速やかに会社を出ます。
- 会社を出てすぐの電話やメールも控えましょう。どこで先ほどお会いした面接官とお会いするかわかりません。最後まで緊張を崩さず帰りましょう。
(3)お礼
面接後は、必ずお礼メールを送ってください。
必ず面接後にお礼のメールを送っている方は、当たり前と思うところですが、大半の方は送っていません。
必ず送る必要がないものですが、お礼のメールを頂いて憤慨する担当者はおりません。
面接や試験結果を左右するほどのものではありませんが、100%プラスの方向に作用します。
時間のかかるものではありませんので、是非、送る習慣を身に着けてくください。