- そもそも大麻グミってなに?
- 食べるとどうなるの?どんな症状がでるの?
- どこの会社が作っているの?製造会社の見解は?
- 今後、行政はどういう対応をしていくの?
大阪府内では今年に入り、大麻に似た成分が含まれたとみられるグミを食べた男女十数人が、吐き気などを訴えて救急搬送されていたことが、府警への取材でわかりました。
同じく東京都内でも2023年11月4日、同様のグミを食べたとされる男女5人が病院に搬送されていました。
そのグミの袋には、大麻の成分に似せた合成化合物の名前が書かれており、“大麻グミ”と呼ばれています。
グミを製造・販売したのは大阪市内の会社で、大阪市が同社に対して立ち入り調査を実施しました。
違法ではないと主張される大麻グミ。その内容をまとめてみました。
1.本記事のテーマ
- 大麻グミとは何か
- 一連の大麻グミ事件のまとめ
- 製造元会社の会見
- 厚生労働省の今後の動き
2.著者の経験
これまでの主な職歴は、人材サービス業とコンサル業での勤務です。
人材サービス業では14年間勤務し、約3,500名の求職者のみなさんへお仕事をご紹介してきました。また、コンサル業では7年間人事業務に携わり、新卒や中途採用、教育・研修などを行ってきました。
3.大麻グミとは何か
大麻グミには「HHCH」(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)という、大麻成分に似た合成薬物が含有されています。
医薬品医療機器法で規制されていない成分で、所持したり食べたりしても現在は違法にはならないというのが、今回の抜け穴になっています。
現在、大麻グミは店やインターネットで簡単に購入できるのが現状です。しかし専門家は、その危険性について警鐘を鳴らします。
今回事件となっ大麻グミは、10粒で7,000円程度と報じられています。普通に考えたら絶対にまともな商品としての価格でないことは明確ですね。
実態は、実態は大麻由来の成分に似せた合成化合物が含まれている。
専門家によると「感覚情報・思考・運動指令などが正しく処理されない可能性。大麻成分を1回でも摂取すると、脳の形に変化が起こるという論文も出ているので、手を出すのはやめたほうがいい。」とされています。
4.一連の大麻グミ事件のまとめ
ここ最近ニュースになった、大麻グミ関連の記事になります。
2023年11月3日、東京・墨田区の押上駅でグミを食べた20代の男女4人が病院に搬送されました。
「“大麻グミ”を食べた。具合が悪い」と話していたそうです。
11月4日、東京・小金井市の公園で行われた「武蔵野はらっぱ祭り」でグミを食べた10代~50代の男女5人が嘔吐などの症状で病院に搬送されました。
この「はらっぱ祭り」で男性が配っていたのが、“大麻グミ”とのことです。
捜査関係者によると、配っていたのは目が不自由で杖をついた40代男性で、「よかったら食べない?」と言って配っていた、ということです。
配った男性は「普段から自分で食べているもの。おいしかったから配った」と話していたそうです。
今年に入り、大麻に似た成分が含まれたとみられるグミを食べた男女十数人が、吐き気などを訴えて救急搬送されていました。
名古屋市消防局によるとと、2023年11月上旬に中区の20代女性がグミを食べた後に吐き気の症状を訴えました。 2023年5月にも中村区の30代男性がグミを食べた後に「体の震えが止まらない」などとして、医療機関に搬送されていたということです。
名古屋市のケースでは、いずれも「CBDグミ」と呼ばれるグミを食べたと話していたということです。
厚生労働省のホームページによると、「CBD」は大麻草の茎や種子から抽出される成分ですが、「HHCH」と同様に「CBD」を含む製品については、大麻取締法上の大麻には該当しないということです。
5.製造元会社の会見
11月17日午前、大阪の製造会社「WWE」が会見を開きました。
(1)製造・販売会社
大阪の「HHCH」グミの製造・販売会社「WWE」社長 松本大輔さん
(2)会見内容
取材に応じる「WWE」の松本社長(17日午前、大阪市中央区で)=大塚直樹撮影
主な会見内容は以下の通りです(抜粋)。
各社から多方面での質問もでたようですが、事前の質問書以外には一切答える姿勢のない会見であったと報じられています。
- 「弊社ではスタッフ間で体感をチェックして、コントロールできる量で調整をして商品として製造・販売しております。私たちのグミはおいしくて体感のあるところが強み」、「スタッフが食べてチェックした」
- 同社のグミで体調不良者が出ていることに対し、「遺憾だ。用法・用量を間違っているのだろう」と述べた。厚生労働省がHHCHの規制を検討していることについては、別の成分を使った危険な商品が出てくる可能性があるとし、「規制の危険性を理解していない」。
- このようなことが起きたことは誠に遺憾であり、未成年に渡すことは許されるべき行為ではないと思います。これまで以上に業界全体で注意喚起をしていく。
- 私たちが販売しているものは合法の成分になりますので、継続して販売はします。ただ再発防止策であったりとか注意喚起というのはこれまで以上に行って、気をつけてやっていこうと思っている。
- 20歳未満に販売しないなどの対応に加え、子どもが誤って食べないようパッケージにチャイルドロックを導入するなど、再発防止策を強化する。
- 「食べた人が体調不良を訴えるケースは、現在、把握しているのが数カ月に1件、2件程度です。いずれも食べすぎによる『戻してしまう』状態になる方がいる。
- 厚労省がHHCHを指定薬物に検討すると? 「何度も申し上げた通り、愚策だと思います。規制すればするほど新しい成分が開発されて、それらを確かめるのは我々も時間がかかりますし」
- 製品に大麻成分を入れる必要がある? 「我々の存在意義になりますので。それは大麻の良さを世界に広める」
6.厚生労働省の今後の動き
大麻由来の成分名が表示されているグミを食べ、体調不良を訴えるケースが相次いでいることを受け、武見厚生労働大臣は、成分が特定されれば類似するものも含めて、指定薬物として流通させることや所持することを禁止する方向で検討する考えを示しました。
大阪の会社が製造した、法律で規制されていない大麻由来の「HHCH」という成分名が表示されているグミを食べ、体調不良を訴えるケースが相次いでいて、大阪市が製造元の会社の工場に立ち入り検査を行ったほか、警察が成分の鑑定などを進めています。
閣議のあとの記者会見で「重大な保健衛生上の問題だ。警察の捜査と並行して販売店舗への必要な調査を行い、薬物が特定されれば、速やかに指定薬物として所持・使用・流通を禁止することを検討している」と述べています。
また今回の成分を指定薬物に定めても類似の成分を含んだ商品が販売されるおそれがあるとして、そうしたものも包括的に規制する方向で検討する考えを示しました。