最低賃金1500円はいつ?無理?正社員や契約社員の月給者はどうなる

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経団連の十倉雅和会長が衆院選における主要政党の、「最低賃金1500円」引き上げ目標について言及しています。

誕生した石破政権では、2020年代(2029年度まで)に最低賃金の全国平均を1,500円まで引き上げる発言がなされました。岸田政権では2030年代半ばであった内容を、更に縮めた発言でした。

SNSでは最賃引き上げに期待感を示すコメントが多いものの、現実はどうなのでしょうか。経団連の十倉会長のコメントと併せて調査しました。

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目次

1.本記事のテーマ

  • 経団連の十倉雅和会長のコメント
  • 最低賃金1,500円への引き上げが非現実的な理由
  • 正社員や契約社員の「月給者」はどうなるのか

2.経団連の十倉雅和会長のコメント

httpsnews.ntv.co.jpcategoryeconomy8c9bfdd93de64379aa23a12c3517a1ae

2024年度の全国平均最低賃金は1,055円であり、岸田政権が掲げた2030年代半ばに1500円を達成するためには、年平均4%の引き上げが必要とされていました。

石破政権では、さらに20年代にこの目標を達成するとしており、実質的には毎年7%以上、3年で実現するには15%程度の引き上げが必要になります。

この状況をを受け、経団連の十倉会長は・・・

経団連 十倉会長

最低賃金が低いのは問題で、できるだけ上げていく取り組みは大事だが、あまり乱暴な議論はすべきではない。

そして、厳しい経営状況が続く中小企業への影響も念頭に・・・

経団連 十倉会長

十賃上げは運動論だが、最低賃金は法律で、守らなければ罰則がある。目標水準はチャレンジングであってもいいが、到底達成不可能だと混乱を招くだけだ。

その上で、政府・労働者・使用者の状況を考慮し・・・

経団連 十倉会長

明らかに無理だということを強引にやるというのはいかがなものか。プラクティカルにやるべきで、チャレンジングにやっていって、その上で達成時期を少しでも前倒ししたらいい。

3.最低賃金1,500円への引き上げが非現実的な理由

httpsnewsdig.tbs.co.jparticles-1449281
経済的負担の増加

最低賃金の引き上げは、特に中小企業にとって大きな経済的負担となります。

例えば、最低賃金が1,500円に引き上げられた場合、中小企業の経常利益は41%、零細企業では50%も減少する可能性があります。これは、大企業の6%の減少に比べて非常に大きな影響です

賃上げ余力の不足

すでに厳しい経営環境にいる中小企業は多く、賃上げの余力がほぼありません。

最低賃金の引き上げが実施されると、直接的に経営が圧迫される恐れがあります。そして、賃金を上げることで倒産リスクが急激に向上します。

人手不足と競争

日本では少子高齢化が進んでおり、労働力人口が減少しています。このため、企業は外国人労働者を確保するために競争が激化しています。

以前までのように低賃金で外国労働者を雇用することはできません。むしろ住宅や福利厚生など、正社員を雇用するよりコストがかかるのが現状です。

2021年のデータによると、日本人全体の平均年収489万円に比べて、外国人労働者の平均年収は338万円でした。最低賃金上昇により、この差はより狭まるものの推測されます。

4.正社員や契約社員の「月給者」はどうなるのか

httpsandla.jpwpp=41900

最低賃金の引き上げは、月給者や正社員に対してもさまざまな影響を及ぼします。以下にその具体的な影響やリスクを詳しく説明します。

1.月給者や正社員の給与が最低賃金に近い場合、賃金見直しのため人件費が上昇し、倒産リスクが高まります。

最低賃金が引き上げられることで、企業は全従業員に対して賃金を見直す必要があります。特に、月給者や正社員の給与が最低賃金に近い場合、企業はその給与を引き上げる必要があり、結果として人件費が増加します。これにより、企業の利益が圧迫される可能性があります。

2.相対的に従業員数が少なくなり、業務過多になるリスクが増大する。

人件費の増加に伴い、企業は新規採用を控えたり、既存の従業員の雇用を見直す可能性があります。特に中小企業では、経営が厳しくなり、雇用数が縮小するリスクが高まります。

3.月給者と時給者の給与差が縮小しモチベーションが低下。企業は評価制度等の改変が必要。

最低賃金の引き上げによって、正社員とパート・アルバイトとの給与差が縮小することが予想されます。
このため、正社員のモチベーションが低下する可能性があります。企業はこの問題に対処するために、正社員の業務内容や責任を再定義し、適切な評価制度を導入する必要があります。

4.直接的な人件費が上昇するため、システム導入による働き方(人員等)に変化が生じる。

最低賃金引き上げに伴い、企業は業務効率化や生産性向上を図るために、新たな技術やシステムを導入することが求められます。これにより、正社員も新しいスキルを習得する必要が生じるかもしれません。

5.福利厚生などの縮小も必要。目に見えない収入(収益)の減少が生じる。

人件費の増加によって、企業は福利厚生やその他の待遇面でコスト削減を余儀なくされる可能性があります。これにより、従業員の満足度が低下し、離職率が上昇するリスクも考えられます。

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