- 在籍期間の長い社員やる派遣社員などがおり、理由もなく態度が悪く、軽視される。
- 全ての仕事に対して、執拗に仕事をチェックされる。クレームを受ける。
- 特定の上司が自分にだけ言動が厳しく、周囲にも尾ひれを付けて悪口を話す。
- 他の社員がいる前で、まざとミスを指摘・強調する。
- 離席をしたとたん、自分の対する陰口を話している。
40代の転職は転職自体の難しさもさることながら、転職後、数年して風当たりが強くなるケースがあります。
上記のようなケースはごく一部であり、様々な形で職場の人間関係が悪化してしまうケースがあります。
特に、何の理由化もわからない個人的な攻撃や、集団的な攻撃を受け続けることは自身の健康状態を悪化させるため、必ず対処が必要です。
苦労をして転職した就業先ですので、簡単に次へ転職するすることはできません。その原因や背景をリサーチし、まずは出来うる対処法と、心の持ち方を整理しましょう。
1.本記事のテーマ
- 職場における人間関係の考え方
- 人間関係が悪化する原因
- 職場の人間関係を円滑にする7つのポイント
- 息詰まる前に読んでほしい本
- どうしても解決できない場合
2.著者の経験
これまでの主な職歴は、人材サービス業とコンサル業での勤務です。
人材サービス業では14年間勤務し、約3,500名の求職者のみなさんへお仕事をご紹介してきました。また、コンサル業では7年間人事業務に携わり、新卒や中途採用、教育・研修などを行ってきました。
転職や就職情報のほか、面接時の雑談や、お仕事場での日常的なコミュニケーションツールとして、日々のニュースやトレンドの情報も、お伝えしていきます。
3.職場における人間関係の考え方
(1)職場の人間関係に関するアンケート
2021年度の日本労働調査組合における「職場の人間関係に関するアンケート」※1では、人間関係に悩みを抱えている割合は約3割(29.2%)で、約7割は人間関係に問題を感じていない(良好32.1%、特に気にしていない38.7%)という結果になりました。
これまでは常に退職動機の上位項目であり、約7割が「職場の人間関係」の問題があるとされていた項目ですが、この結果はコロナ禍のおける働き方改革により、テレワークの推進、飲みニュケーションが行えないなど、職場環境が変化してきたことが影響していると考えられます。
※1 日本労働調査組合「職場の人間関係に関するアンケート」
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(2)人間関係の考え方
これまで様々な転職者の皆さん、そして私自身の転職経験を踏まえると、40代で転職するにあたり、多かれ少なかれ必ず入社から数年間、こうした人間関係のトラブルに巻き込まれる傾向があります。
業界経験があり、前職までの経歴がほぼそのまま活かせる転職先であればよいのですが、異なる業界や職種に転職した場合、仮に幹部候補とは言え、知識・経験の少なさから、逆風にさらされることは少なくありません。
まずは、こうした状況は当たり前に起こりえる問題であるということを共有しましょう。あなたが特別悪い、問題があるということではありません。みんな一緒です。ここでは一息ついて楽になってください(^^)
根本的な理由は、後からポッと入社してきた者が、何年・何十年と勤めてきた自分達よりも処遇面で優遇され、現場の細かな問題もわからなければ、過去の事例もわかっていないなどの些細な問題です。役員クラスとなれば話は変わりますが、大半はこの範疇であることが想定されます。
私は40代以降の転職時の心の持ち方、人間関係については「一定の距離間」があって良いと考えます。
新入社員のころから同じ釜の飯を食ってきた訳ではありません。そこの気持ちや繋がりを求めること自体が非現実的であり、ただただ自分自身を苦しめる原因になります。
採用時に会社が求めたミッションを振り返りましょう。そして、まずはそのミッションを達成しましょう!
確かにみんな仲良く、楽しく、そして尊敬の念を持たれて仕事をするという状態はとても理想的です。しかし、40代の転職者にとっては現在、過去、未来において物理的に時間がありません。
私は40代に入り、みんな仲良くのスタンスは諦め、会社の求めるミッションを優先しています。
決してチームワークを考えず一人でやっているという事ではなく、無理をして輪の中に入っていかなくても良いというスタンスです。
幹部候補としての採用を重く受け止め、一日も早くリーダーシップを発揮しようとしても難しい部分があります。40代転職者といえど、少なくとも1~2年は業界ルールや流れを学ぶ必要があります。
あまり自分自身にプレッシャーをかけすぎず、なるようになるという考え方も必要です!
真摯にわからなことを学び、メモを取り、誠意ある対応を取り続けることに注力しています。そうした積み重ねの先に、理想とする人間関係のスタートと、転職後の本当のスタートラインがあると考えています。
無理をして周囲に併せて、誰か共通の敵を作りあげ、みんなでワイワイといった団結の輪に入ることは、キャリアプラン上も望ましくありません。そのためにも入社から数年の間の人間関係問題はつきものだと切り分け、一定の距離間を持った人間関係で十分良いと考えます。
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4.人間関係が悪化する原因
本質的な問題は上述したとおりと思いますが、一概にそれだけと断言することが難しい部分もあります。
実際に私も転職が多いため人間関係に悩むことは多かったと感じています。
前職の流れから現職におけるルールや応対に即していなかったり、逆に敏感になりすぎて、必要以上に確認をしてしまったりと、単純に私自身の振る舞いの悪さが原因である場合もありました。
しかし、こうした状況を1、2年放置しておくことは精神衛生上も良くありません。あまり大きな声で言えませんが、かなり精神的に厳しい状況おかれ、円形脱毛症になってしまった時期もありました。
一般的な対応ですが、再度原因を確認し、洗い出した内容に対する対応策をできる範囲で実践していきましょう。
- 情報収集について
分からない事、疑問に思ったことを調べもせずに、安易に他の社員に確認していないか。
中途入社で処遇も高い上に、何も知らない、調べないという印象を与えてしまいます。 - コミュニケーション不足について
自分の仕事に関わるメンバーに、きちんと進捗を報告し情報を共有しているか。
年上、年下、雇用形態にかかわらず、メンバーにとっては会社をよく知らない40代という見方が少なからずあります。こまめに情報を共有することで、安心感を与えることができます。 - チームワーク、仕事の共有不足について
これまでの職歴や、管理職としての経験などから、確認するべきことを怠っていないか。
周囲から厳しい状況を強いられれば強いられるほど、チームワークの構築は難しくなります。そこは仕事であることと割り切り、業務の達成に向けて情報の共有や、進捗の悪いメンバーの支援を積極的に行いましょう。 - 職場の文化や風土の認識不足について
前職や、これまでの部署での考え方や働き方を勝手に「一般基準」としていないか。
これは40代に限らず転職時や部署移動の際には、これまでのやり方、考え方を理解しておくことが必要です。特に、転職の方はよそではこうだった、こういうやり方は間違っているなど、全面否定的な発言をしてはいけません。よく言ってくれたと評価される場合もありますが、現状の客観的な評価と信頼関係ができていることが前提になります。 - 自分のポジション認識と周囲の認識について
面接時の説明と、受け入れる部署のメンバーの認識はあっているか。
私が実際にはまった一つです。面接時は、6か月後にはマネージメントをしていただくので、改善点なども含めこれまでの経験を活かし、どんどん発信してくださいと言われ入社したところ、部署のメンバーはそんな内容は一つも聞いていない状況。ただの欠員補充程と考えているため温度差が大きく、応対もイメージとはだいぶ異なってました。
ただし、これには事情もあるのかなと考えます。最初から部署のメンバーにマネージャー候補と話すことも大きな支障につながります。結論的には、意図をはき違えた結果でした。 - 特段の理由も何もない、単純な妬み・ひがみ・嫉妬のたぐい
ここは本当にどうにもなりません。そして、一定数必ずこういう考え方の方がいると割り切る必要があります。
本質的なものか、これまでの勤務実績評価からくるものか詳細はわかりませんが、理由もわからないまま標的にされるケースがあります。面倒なパターンはその人物が社歴が長く、一定の発言力(逆らうと面倒なので、みんなが合わせている発言力)をもっている場合です。
後ほどご紹介する本ですが、まさにアホとは戦うなの精神が必要です。巻き込まれる方が悪いと認識を変えて接していきましょう。決して戦ってはいけません。
私はファイターでしたが、15R戦った末、再起不能なほど追い詰められました。結果も判定負けくらいのイメージです。
5.職場の人間関係を円滑にする7つのポイント
仮に40代と20代の転職時を比較して、人間関係の悩みを同一視することはできませんが、関係性が悪化していると感じた時こそ、基本事項の見直しも必要です。
一つ一つの行動自体の意味も大切ですが、40代は今後の管理者候補として採用を受けています。
現在は厳しい状況下であっても、この先を考え大変ですがコミュニケーションを継続しつつ、良い距離を保つことが得策です。
言うは易く行うは難しですが、決して腹をたてて、戦ったり、避けてはいけません。
40代の皆さんは厳しい面接を通過して入社した将来の管理者候補に間違いはありません。ここはひとつ我慢をして、心で泣きましょう。
あと少し経験を重ねた時、必ず立場は逆転します。そういう人材を会社は採用したはずです。
基本事項ですが、是非、毎日のコミュニケーションに取り入れてみてください。
(1)挨拶をきちんとする。
基本的なことですが、嫌な相手とは距離を取りたくなります。必然的に挨拶も減りさらに距離感が生まれます。
「おはようございます」、「お疲れ様です」など一般的な挨拶を笑顔ですることを心がけましょう。
(2)相手のポジションや環境を把握する。
相手がどういった状況か、周囲にどう思われているのかを、改めて整理しましょう。
得てしていやがらせを行う主体者は、既に誰からも評価されていないケースが多くあります。他の社員は巻き込まれるのが面倒なので、合わせているだけの状態です。
整理することによって、対応の内容を変えていきます。単なる一個人なのか、お山の大将(お局など)なのか、誰と密接な関係にあるのかなど、一度確認をしましょう。
併せて、自分の味方は誰かを考えることも大切です。必ず皆さんを支援してくれる方はいるはずです。
(3)はっきりと聞こえる声で、意志や意見を伝える。
特にはじめは仕事の進め方や、中身の理解が足りないため、言われ放題になるケースがあります。
しっかりと分からないことは聞き、進め方や、ゴールのイメージなど言葉で意見交換するようにしましょう。
40代はむしろ堂々とした姿勢であるべきです。必要以上にへりくだる必要もなければ、作り笑いも必要ありません。仕事としてのやり取りと割り切り、確認しなければいけないものは確認しましょう。
ただし、2度同じ内容を聞いてはいけません。必ずメモをとり、次回からは絶対に一人でできるように確実にマニュアルを作成してください。
私は後で手帳にまとめますが、指導を受けながらメモすることは簡単ではありません。最近は動画や音声録画をして後で聞き取れなかった部分を補足しています。
(4)積極的にコミュニケーションを図る。
簡単に見出しを付けましたが、本当に難しい行動です。
ダメ元で構いませんので、少しの間我慢してこちらから話書けるようにしてみましょう。
ニュースだったり、天気だったり、ランチ情報だったり、本当に薄い内容で構いません。
当然、最初は相手にされないことを前提に取り組んでいきましょう。
将来を見据えての行動と、割り切って対応しましょう。必ずどこかで潮目が変わる時がきます。
(5)旅行に行った際など、必ず個別にお土産を買っていく。
人は物に弱いものです。必ず喜びます。
どこかに旅行などに行った際には部署へのお土産のほかに、その方個人へのお土産も渡すように心がけましょう。特に、旅行に行かなくても最近はネットでも購入できます。様子をみて定期的に実行するのも一つの手です。
そこからおいしいもの話の共有にはじまり、ランチまでいけたら、意外に早くゴールは見つかるかもしれません。
ここは、投資(もしくは必要経費)として、割り切るくらいの気持ちで試みてください。
(6)感謝の意を明確に伝える。
気分にムラがある方が多いと思いますので、何か本当に親切にされた場合は、しっかりとお礼をしましょう。
そして、嘘でも構いませんので、本当に助かった、どのようにこれまで仕事をされてきたのかなど、相手が気持ちよく自慢話をできる質問もしてあげましょう。
(7)他の誰よりも積極的に面倒な仕事にとり組む。
面倒で誰もが嫌がる作業を一生懸命に取り組んでいる方には、必ず周囲も一目を置きます。
継続することが前提ですが、周囲に対するアピールも伴い有効な手段です。ただし、ただでさえ慣れない環境で心身ともに疲弊している中でさらに業務負荷をかけるこ行動です。
自身の健康バランスに注意して実行してみましょう。また、くれぐれもなんでも引き受けるキャラにならないように注意してください。あくまでも自分から支援することを指しています。
6.息詰まる前に読んでほしい本
私も転職を重ねる中、本当にこれまで沢山の人間関係に悩みました。年齢やその時の環境によって、内容も対象者も変わりますが、もう少しなんとかできたかなと、振り返ると思う時もあります。
大したことではないのですが、冷静な状態のときにこの本を読みました。
もう少し前に、この本に出合っていたら、ほんの少しだけ気持ちや考え方を代えることができたのかな。と思う自分がいました。もし、お時間や少しのお金を使っても良いと思う方がいらっしゃれば、是非ご覧になってみてください。
私は今でもこころの中でこの本のアドバイスを参考にしています。これまでは正義感が勝ってしまって無駄な争いも多かったと反省しています(笑)
決してここでの物売りでもなんでもありませんので、中古本でも全然かまいませんので、機会があれば一読してみてください。少なくとも私は救われたところがありました(^^)
6.どうしても解決できない場合
何度も書きましたが、私も転職をする毎に人間関係に悩みました。一般職には一般職の、管理職には管理職の悩みがあり、そしてそれぞれに人間関係の問題があります。
人間性や性格なども大きな要因だと思います。心の優しい方ほど心無い社員のはけ口となりやすく、そして自分が悪いのではないかと、自分で自分を苦しめてしまいます。
上記の「人間関係を円滑にするポイント」は、私自身も実践してきた内容です。ただし、上手くいくケースもあれば、どうしても改善できないケースもあったのが事実です。
人間関係に悩み、そして頑張って解決に向けて努力した結果、どうしても解決に至らない場合の判断は、①上司に相談し人事異動を依頼すること、②退職して転職すること、の2択です。
小さな会社では部署を異動したところで、状況に大きな変化を期待することはできません。一方、大きな会社であれば支店や営業所移動など、物理的に対象の相手から離れることができれば一定の解決に至ることも可能です。
- 最終的にどうしても人間関係の歪みで悩むことが継続する場合は、迷わず転職しましょう!
一番大切なのは、間違いなく自分自身です。会社はみなさんの身体を守ってはくれません。 - 私もこれまで5回転職をしてきましたが、以前勤めていた会社の方と退職後に関わることは、ほぼありません。
私に関して言うと、全くありません。あの時なぜあれほど我慢したのか、最後まで義理を果たしてみたことのないレベルの引継書をつくったのかなど、そんなものです。 - 退職時、きちんとした方ほど「立つ鳥跡を濁さず」を考えますが、必要以上の配慮は一切必要ありません。最低限のマナーをもって退職することで十分です。次の転職先に影響をきたすこともありません。
- 退職を決意した時点から、もうこの会社での将来はありません。戻ることもありません。次の会社で活躍できるように、前向きな気持ちで準備を進めましょう。
- 自分のことだけを中心に考えてください。
退職後の業務対応、さまざまなスケジュール、自分が担っていた業務、そんなことを考えることは一切ありません。法的な退職ルール(期間)を守れば十分です。有給消化を控えてほしいなどの要望を受け入れる必要もありません。
最後は毅然に、そして自分の将来に向けて一秒でも早く気持ちを切り替えましょう!
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