営業職として活動する上で、名刺交換は避けて通れない重要なビジネスマナーの一つです。しかし、意外と正しいやり方を知らずに間違った方法で行っている方も多いのが現実です。
この記事では、営業職を始める20代から30代前半の方を対象に、名刺交換の基本マナーから、あれどうだっけ?という複雑なシーンでの対応方法まで、具体的な例を挙げて詳しく解説していきたいと思います。
本記事のテーマ
- 名刺交換の基本マナー
- 同時交換のマナーとコツ(1人×複数)
- 複数人×複数人での名刺交換の順番
- シーン別名刺交換マナー
- NGな名刺交換パターンと対処法
- 名刺交換後のフォローアップ
- まとめ
本ブログの目的
このブログでは、これまで自分自信が経験した多くの成功と失敗から学んだ、リアルな営業テクニックをシェアしていきます。遠回りせず、なるべく近道を通ってスキルアップし、営業を楽しんでください。
理論だけではなく、明日から使える実践的なノウハウをお届けしたいと思います!
「営業って実は超おもしろい」ことに気づいてもらえるように、カッコつけず等身大の視点でお伝えしていきます。
AIでは決して書けない、本当の営業現場で起きる問題や、営業を受ける側の視点も合わせて解説します☆
1.名刺交換の基本マナー

名刺交換はこれから始まる商談前の定例の儀式です。朝起きておはようというのと同じ程度の意味です!
他の記事には名刺交換でビジネスを大きく左右するなどと言う記載もありますが、そんな事はまずありません。
しかし、朝会社に行って「おはようございます」、誰かに助けてもらって「ありがとうございました」などという普通の挨拶ができない相手と、契約を結ぼうという気持ちにはなれないですよね。
名刺交換(=日常挨拶)でマイナス評価をもらってしまう事は本当にもったいないので、ここで最低限のシーンを想定したマナーをマスターましょう!
名刺の正しい渡し方

名刺を渡す際の基本ポイントは以下の通りです。
- 1. 両手で渡す
・名刺は基本的に両手で持って渡します。
・親指と人差し指で名刺の角を持つのが正しい持ち方です。
・相手が読みやすい向きで差し出します。 - 2. 立ち上がって渡す
・座っている場合は必ず立ち上がります。
・相手との距離は1メートル程度の適度な距離を保ちます。
・軽くお辞儀をしながら「〇〇株式会社の⬜︎⬜︎(苗字)と申します。よろしくお願いいたします」と挨拶
し名刺を渡します。 - 3. 名刺の向き
・相手から見て正しい向きで渡します。
・必ず名刺入れから出します。スーツのポケットや、ノート・財布等からは失礼です。
・少しでも折れていたり、汚れたものは事前に廃棄しましょう。
名刺の正しい受け取り方

名刺を受け取る際も、基本的な重要なマナーがあります。
- 1. 両手で受け取る
・渡すときと同様、両手で受け取ります。
・相手の名刺に触れないよう、端を持って受け取ります。
・「頂戴いたします」と一言添えましょう。 - 2. 名刺の扱い方
・受け取った名刺は丁寧に扱ってください。
・曲げたり、汚したりしないよう注意します。
・すぐに名刺入れにしまわず、着席まで名刺入れの上に乗せ、両手で持っておきましょう。 - 3. 名刺の置き方
・商談中は机の左上に置きます。
・複数人の場合は席順に合わせて並べます。
・商談終了後に名刺入れにしまいましょう。

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2.同時交換のマナーとコツ(1人×複数)

営業の現場で最も頻繁し困惑するのが「同時交換」のシーンです。お互いが同じタイミングで名刺を差し出した時、あれ?どうしようとお互いに困ってしまいますよね。
しかし、この瞬間こそ営業スキルが試される重要な場面!スマートな同時交換ができれば、相手に「できる営業だな」という印象を与えることができます。

同時交換の基本動作
- 自分の名刺は右手で差し出します。
- 相手の名刺は左手で受け取ります。
- この動作を同時に行います。
- 自分の名刺は相手の名刺より低い位置で差し出します。
- これは謙譲の姿勢を表すビジネスマナーです。
- 相手が年上や上位職の場合は特に意識します。
- 交換後は必ず相手の名刺を確認します。
- 読みにくい漢字や、聞き取りにくかった場合などがあれば、落ち着いて丁寧に確認します。
- 「小鳥遊(たかなし)様でいらっしゃいますね」など、確認の言葉を添えましょう。
- 複数名と名刺を交換する場合、相手から受け取る名刺が都度増えていきますので、下の写真のように名刺入れの下に一旦重ねて、名刺交換を進めてください。くれぐれも誰のかわからなくならないように笑。

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3.複数人×複数人での名刺交換の順番

さらに悩めるのが、こちらも上司同行で複数名、そして相手方も複数名の商談時の名刺交換です(複数人×複数人)!
ここで問題になるのはバタバタして無駄に時間がかかることです。名刺交換はできるだけスマートに手短に終わらせて商談に入らなければなりません。
基本的には、仕事全般的に言えることですが「偉い人を立てる」だけです笑。ここだけ押さえておけば、概ねどの場面でも考え方はほぼ同じです。
例えば、応接室に入室する時も、そして退室するときも偉い人からです。あなたが最初に出入りすることはないのと同じです!
基本的な交換順序

1.役職の高い人から
- 訪問側は相手方の最も役職の高い人から交換します。
- 次に自分の上司が相手方の役職順に交換します。
- 最後に自分が相手方の役職順に交換します。
2.具体的な順番例
◻︎訪問側:課長A、営業担当者(自分)B ◻︎相手側:専務C、部長D
【交換順序】
1. 課長 A→ 専務C
2. 課長 A→ 部長D
3. 営業担当者B →専務 C
4. 営業担当者B→部長D
複数人での注意点
- 1. 混乱を避ける工夫
・一度に全員が動かず、順番を守って交換する。
・受け取った名刺は席順通りに机に並べる。
・名前を間違えないよう、交換時に確認する。 - 2. 席次の確認
・商談開始前に席次を確認しておく。
・名刺の配置と実際の席順を合わせる。
・分からない場合は素直に確認する。
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4.シーン別名刺交換マナー
営業の現場は多種多様。オフィスの会議室だけでなく、受付、玄関、立食パーティーなど、様々な場所で名刺交換が発生します。
それぞれの環境には独特の制約や配慮すべきポイントがあり、画一的な対応では通用しません。臨機応変な対応力こそが、真のプロフェッショナル営業の証です。
受付・玄関での名刺交換
- 受付では用件を伝えてから名刺を渡す
- 「○○会社の○○と申します」と名乗る
- 相手が出てきてから正式な名刺交換を行う
- 靴を脱ぐ場合は、きちんと揃えてから交換
- 狭い場所では相手のスペースを考慮
- 自然な距離感を保つ
立食パーティーでの名刺交換
- 相手が食事中でない時を選ぶ。
- 飲み物を持っている場合は一旦置く。
- 会話の自然な流れで交換する。
片手がふさがっている場合
- 「申し訳ございません」と一言断る。
- 飲み物などを一時的に置く。
- 無理に片手で交換しない。

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5.NGな名刺交換パターンと対処法
ここまでで、名刺交換の全体像は掴んでいただけたと思います。
最後は逆に、「やってはいけないNG行為」と「想定外時の対応」を押さえておきましょう。どんなに基本を学んでも、一つのNG行為で全てが台無しになってしまうことがあります。
当たり前のことばかりですが、最後のチェックです。
- 1. やってはいけないNG行為
-
- 座ったまま名刺交換する。
- 片手で渡す・受け取る。
- 名刺を曲げる・汚す。
- 交換後すぐにしまい込む。
- 相手の名前を間違える。
- 2. 名刺を忘れた場合の対処
-
- 素直に謝罪すること。
- 後日必ず持参することを約束すること。
- 連絡先を別の方法で交換すること。
- 次回の約束を必ず守ること。
- 3. 相手が名刺を持っていない場合
-
- 無理に要求しないこと。
- 自分の名刺だけでも必ず渡すこと。
- 連絡先の確認方法を相談すること。
- 相手のペースに合わせること。
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6.まとめ
営業職における名刺交換は、単なる連絡先の交換以上の意味を持ちます。正しいマナーを身につけることで、相手に好印象を与え、良好なビジネス関係の第一歩となります。
重要なポイントの再確認
- 必ず両手で丁寧に扱う。
- 同時交換では右手で渡し左手で受け取る。
- 複数人の場合は役職順を意識。
- 複雑な座席配置や人数の時でも、「役職順」を意識する。
- どんなに注意を払っても間違いは生じる。その場合は素直に、誠実に対応する。
これらのマナーを実践することで、営業活動がより円滑に進み、信頼関係の構築にもつながります。最初は緊張するかもしれませんが、場数を踏むことで自然にできるようになります。
愛想の良い人もいれば、ぶっきらぼうの人もいたり、場合によっては喧嘩腰の人にも遭遇します。飛び込み営業で入った途端、闇金の事務所だったこともありました笑。こういう場合は名刺交換をしないで帰るスキルが磨かれます。
名刺一枚あれば、どんな場所にも行けるのが営業の面白さです☆ 仕事は楽しみながら続けていきましょう!

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