- 40代の転職は現実的に難しいのか。
- 40代では本当に転職していいのか、現職で我慢した方がいいのか。
- 収入面について不安。上がること、下がることどちらが多いのか。
- 20代、30代の若い世代との転職と何が違うのか。
- 実際の40代での転職活動は、どういった傾向が多いのか。
今回は、仕事や人生の経験にも厚みを増した40代の転職について、その不安や疑問に答えていきたいと思います。
別の記事でも紹介いたしましたが、私の1回目の転職は22歳(入社後すぐの転職でした泣)、2回目は26歳、3社目は39歳、4回目は46歳、5回目は48歳での転職です。
このとおり、40代で2回転職をしています。
自身の経験も織りまぜ、皆さんの転職の支えになればと思います。
1.本記事のテーマ
- 40代をとりまく転職環境
- 経験を活かして成功!正社員転職7つの重要な約束
- 最後に
2.著者の経験
これまでの主な職歴は、人材サービス業とコンサル業での勤務です。
人材サービス業では14年間勤務し、約3,500名の求職者のみなさんへお仕事をご紹介してきました。また、コンサル業では7年間人事業務に携わり、新卒や中途採用、教育・研修などを行ってきました。
3.40代をとりまく転職環境
冒頭のとおり、私自身も4回目の転職が46歳、5回目の転職が48歳と、40代に入り2度の転職を経験いたしました。
結論から申し上げると、40代に入ってからの転職はこれまでの活動とは大きく異なり、非常に厳しい状況が継続しました。
理由は明白でした。
(1)定年退職までの期間が短いこと
現在の企業における就業規則では、「60歳定年、再雇用65歳」とする雇用スケジュールが一般的です。
企業内での年齢構成を考える上でも、ポテンシャル重視の募集は非常に少なくなります。
ステップアップ期間が無いために、ピンポイントの即戦力が求められます。
結果として年齢での足切りを受ける機会も多くなり、書類選考段階で不採用となる可能性が高まります。
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(2)マネージャー・管理職としての採用や、高度な専門性を見込んだ採用が前提であるであること
企業が求める40代の募集イメージは、どうしてもこれまでの経験を活かした高い専門性や、マネージャー、管理職での経験を重視した採用が多くなります。
このため、コミュニケーション能力、問題解決能力、指導能力などといったマネジメントスキルを重要視しています。
内実として、業界未経験・職種未経験OKという募集も目にしますが、私が実際に受けた経験からは裏がある(私の感じ方として多かったのは、親近者から契約を取れるだけ取ったらお払い箱のような会社)ケースも多く、しっかりとその会社を見極める注意が必要です。
4.経験を活かして成功!正社員転職7つの重要な約束
私自身がそうでしたが、正直これまでの経験やスキルがあれば、その辺りの20代、30代に負けない自負を持っておりました。
自負と言うと聞こえは良いのですが、要するに転職をなめていた部分がありました。
「また、これまでのように、問題なく転職できると。」
しかし、現実はとても厳しい状況が存在しました。条件が良い企業へ応募しても、書類選考が通らないことが非常に多くなります。
転職サイト内でも応募の多い企業に対しては、個別にその企業用の選考チームが用意されます。企業からの最低要件(特に年齢、経験など)を満たさない応募は、その時点で足切りにあってしまいます。
それでも、現実として、私は40代で2回の転職に成功しました。
コロナもあり難しい時期も重なったことも要因でしたが、長くかかっても必ず転職は成功できます。そして市場における需要もまだまだ十分にあります。
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私自身の転職活動においては、本当に厳しい求人環境も重なってしまい、心が折れそうなほど苦しい状況もありました。
私の反省も踏まえ、みなさんには40代での転職をより早く成功させてほしいとおもいます☆
以下の7つの約束を守って、活動を進めてみてください。
こうした方が良かったと思う反省点を踏まえて整理をしてみました!
(1)これまでの職務経歴を見直し、自身の強みやアピールポイントを明確にする。
40代の皆さんであれば、これまでの経験から得られた強みや、特定の立場やポジションを経験されたことによって備わったスキル、そして失敗や成功を含めた実績・成果などが豊富にあると思います。
もう一度、自身の経験の棚卸を行い、これまでの職務経歴を見直しましょう。どれが応募先の企業で通用するスキルなのか、武器なのかを事前に見極めておきましょう。
併せて、性格面でも自分の強みや弱みについて、十分に理解されていると思います。
例えば、私は決してイケメンではありませんが、おそらく大半の人が安心して話してくれるような雰囲気を持っていると思います。
いやらしく聞こえてしまうと思いますが、そうした部分もしっかりとアピールポイントとして認識すること必要です。
そして、言葉として相手にアピールポイントととして、伝えられるように整理しておきましょう。
(2)希望条件を明確に整理しておく。そしてその範囲を必ず守ること。
私は再就職を焦るあまり、しっかりとした企業リサーチや事前の確認の不備などもあり、40代にして2度の転職を余儀なくされました。
これまでのとおり、表面的な求人数は一定の数を目にするものの、なかなか自分が希望とする条件の求人にはたどり着けないのが現実です。
なかなか思うような結果が出ない状況が続くと、どうしても条件を妥協しがちになります。
自分自身の転職理由に照らし合わせて、どのような状況でも絶対に死守する条件を事前に整理しておきましょう。
私は特に、①希望勤務地、②待遇、③職種については絶対項目として、ラインを定めておきました。
(3)職務経歴書を磨ききること。
40代に求められる理由を考えると、何よりも職務経歴書をブラッシュアップすることが必須要件です。
ここは是非、以前に書かせていただいた別記事をご覧ください。私のこれまでの全てを記載していますので、なるべく近道を通ってください。
(4)これまでのポジションや待遇にこだわらないこと。
ヘッドハンティングや特別なお誘いであれば別ですが、一般応募の場合は考え方を改めた方が良いと思います。
まれに、転職サイトからの応募オファーをヘッドハンティングと混同されている方もおりましたが、現実的にはこの場合は一般応募の取り扱いになります。
私は最初、ポジションにこだわりを持っており、そして心の奥ではマネージャー採用ばかりを考えておりました。
しかし、その考え方では視野がせばまるばかりでなく、せっかくの優良求人も見逃してしまうことが生じてきます。
私は、面接の段階で、採用時の処遇や業務内容を確認することと併せて、将来のキャリアプランを確認するように修正しました。
普通に考えると当然ですが、採用時は企業側も慎重です。何せ将来の短い40代を採用しようとしている訳ですから(笑)
具体的には自分の年齢であれば1年後、2年後、5年後の近い将来に、どういったポジションや待遇が期待・想定されるかを確認しておりました。
採用当初は一般職でも、近い将来にはマネージャーとしての昇格が見えるケースでの採用や、賞与の支給内容、残業の度合いによっても年収は変化します。
安易に前職や現職との年収比較はできませんので、総合的に判断しましょう。
ただし、何度も申し上げますが自身で設定したミニマムラインは決して下げてはいけません。
必ず後になって後悔する要因になるためです。
(5)転職活動は長期化することを前提に考える。
40代における転職活動は「長期化することは当たり前」として、挑むことが大切です。
一時期のコロナ渦における求人の冷え込みは、これまでに経験のないとても厳しい状況でした。その後、求人数は顕著に回復基調にあります。
どうしても年齢のハードルは高い障壁になります。一次面接の担当者がOKであっても、最終的な決済段階でNGになることも多くなっていきます。
私自身もやるせない気持ちになる時期も多々ありました。その時、どうせならこの環境も楽しもうと考え、これまでに応募もしたことのない求人にも応募し、面接を何度も受けてみました。
その中には魅力的なお話を頂く機会もありました。しかし、自身の下限条件を下回る内容であったため、お断りをさせていただいたケースもありました。
- 自身の視野を広げることができたこと
- これまでに知ることのない業界の知識を得られたこと
- 自身の市場価値を知ることができたこと
まだまだ私を必要としている企業は、市場に沢山あることを知ることができました!
そして、何よりも自分自身、失いかけていた自信を回復することができました。
是非、焦らず、そして自分を決して安売りしない気持ちをもって取り組んでください。
あきらめない限り、必ず良い就職先と出会うことができるはずです!
(6)転職サイトに登録し、多くの情報を集めること。
とにかくより多くの情報を得たものが勝ちだと思いました。
求人企業はコストの兼ね合いもあり、必ずしも複数の転職サイトを理由する企業ばかりではありません。
むしろ基本的には転職サイトは1社利用のケースが多いため、できる限り多くの転職サイトに登録するようにしましょう。
私はメインで確認していたサイトが5社程度、その他10社ほど登録をしておりました。
多く感じるかと思いますが、2〜3か月もするとすぐに目は慣れます。どこが新鮮な求人なのか、一目で判断できるようになります。
また、応募が通らず、面接でも不採用が続くと本来の自分を保てなくなります。
余裕がなくなると、何か自分に都合の良い理由をつけこれは自分に合っていると、むやみに応募しがちになります。
気持ちに余裕がない場合は特に注意が必要です。その場合は、前述のとおり気分転換的に受けに行くという姿勢で進めてみましょう。私はそれで乗り越えることができました。
(7)自分自身に負けないこと。
ここで、根性論になってしまいますが、40代の転職の要点はここです。
- 何があっても自分の価値を信じること。そして、これまでの何倍も転職活動に注力する。
- 長期戦を覚悟の上、決してあきらめず、心に強さをもって転職活動を進める。
- 関心の薄い仕事や条件に理由をつけ妥協し、現状から逃げるための転職をしない。
自分自身に負けなければ、必ずその先は良い未来があります!
私にもできたので、皆さんは必ずできると思います。諦めたら勝負は負けです!
5.最後に
40代の転職は厳しい、40代で転職したら給与が大きく下がったというネガティブコメントもあれば、ハイクオリティな求人を扱う転職サイトでは、年収800万〜1000万円の成功者が多数などポジティブPRも目に留まります。
確かにどの求人も存在し、成功事例もあれば、そうではない事例も多くあります。
こうした情報には、あまり敏感に反応しないほうが得策です。
良い求人には当然求められる高い内容があり、中身はだいぶシビアな求人が多いのが現状です。
私の知人もハイクラス求人で何人か転職しましたが、採用当初の給与条件は非常に高く魅力的ですが、結果が伴わなければ即降格するケースが多いと話していました。
求人状況は、経済状況の変化、国の方針の変化、などによりある日突然変化します。
私自身が経験した40代の転職は、必ずしも楽な道ではありませんでした。
色々な道があり、将来のライフプランも大きな検討要因となる世代ですので、安易にハードルの低い企業に入社してはいけません。
一日の大半は仕事に時間を費やします。
自分自身が楽しみを感じられる職場に出会うまで、あきらめずに頑張りましょう。
私は今の職場に出会うまで、毎日活動し、1年半かかりました。
是非、転職フェアにも足を運んでみてください。本当に思いがけないお宝企業と出会うことができます☆